魅力が詰まった惣辺エリア

風力発電所設置を予定している惣辺牧場は、放牧場としての利用だけではなく3か所の展望所と市営キャンプ場を備えた憩いの地、そして2つの古道が交わりカミの山を拝む歴史的重要スポットでもある場所なのです。

目次
 ・圧倒的な景観
  -圧倒的な景観
  -惣辺から見渡せるスポット

 ・歴史文化遺産としての価値
  -2つの古道の合流地点
  -かつて大鳥居が建っていた!
  -誰もが拝んだ遙拝所(ヨウハイジョ)

 ・キャンプ場

 ・アクセス方法(別サイトリンク)

 ・おまけ(動画・外部サイト)
惣辺牧場位置関係図

圧倒的な景観

最南端の展望所

 惣辺牧場の魅力は何といってもこの圧倒的な景観にあります。
 案内板や交通機関はなく、ネット上での情報もほとんどないため知る人ぞ知るスポットでしたが、一度訪れれば「十和田にこのような絶景があったのか」と誰もが感動するスポットです。

キャンプ場目の前の展望台

 3つの市営の展望所から眺めることができる景観は、遮る人工物のないパノラマ景観で、まさに圧巻の一言です。
 特に最南端の展望所では180度を超えるパノラマが望め、その景色の中には十和田八幡平国立公園十和田八甲田地区の主要なスポットがすべて含まれる、唯一無二の大絶景なのです。

惣辺から見渡せるスポット

 まず展望台の右を眺めると八甲田の山々を望むことができます。南八甲田と北八甲田の主だった山々が望め、春先や晩秋に訪れれば雪が被った美しいコントラストの光景が拝めます。

 八甲田山から左に視点をずらしてみます。そこには「へ」の形の寝ころんだ鼻のような、十和田湖北部最大の外輪山「御鼻部山(オハナベヤマ)」があり、その奥には西側の外輪山も見え十和田カルデラがそこにあることを示しています。

 そのまま左にずらすと十和田山の姿が見え、東北百名山の「戸来岳(ヘライダケ)」を構成する「三ツ岳(ミツダケ)」「大駒ヶ岳(オオコマガタケ)」が姿を現します。

 御鼻部山に視点を戻しその下部をよく見ると断崖があることがわかります。これは奥入瀬渓流の渓谷の一部です。
 十和田湖外輪山・八甲田山にとどまらず奥入瀬渓流まで展望する景観は他にはまず存在しません。ここは本当に貴重な展望所なのです。

歴史文化遺産としての価値

2つの古道の合流地点

 

 地図にある通り、この惣辺の地は十和田古道「五戸道(ごのへみち)」「七戸道(しちのへみち)」の2つの古道が通り、その合流点に位置する場所です。この2つの古道はまさにここ数年の調査で様々な遺跡が発見されている場所であり、江戸時代やそれ以前に整備された道の形、神に火をささげる御燈籠場(ゴトウロウバ)、中には城館の跡まで発見されている貴重な遺跡であるのです。古道の発見は、ここ数年の調査での成果でありますので、まだまだ見つかっていない遺跡が隠れている可能性もある場所なのです。

かつて大鳥居が建っていた!

 北海道の名付け親でもある松浦武四郎が記した1849年の「鹿角日誌(カヅノニッシ)」では、この惣辺の地には大鳥居が建っていたことを示しています。鳥居というのは聖域の入り口の意味を持つ結界として建てられるものであり、鳥居の存在はこの惣辺の地が十和田古道の中で更なる聖域に入る2つ目の結界の地であったことを示します。

誰もが拝んだ遙拝所(ヨウハイジョ)

 遙拝所というのは聖域の核心地にたどり着く前に拝む場所であり、この惣辺の地はまさに十和田古道の中の遙拝所としての意味も持つ場所です。
 古い文献を紐解くと十和田湖の十和田神社は中世には「額田嶽熊野山十彎寺(コウダノタケクマノサントオワンジ)」十和田の龍神を近世には「赤倉峯十和田山正一位青龍大権現(アカクラノミネトワダサンセイリュウゴンゲン)」と記しています。「額田嶽」「赤倉峯」はそれぞれ八甲田山の古い呼び名です。
 つまり、十和田湖の御山というのは八甲田山も一体となった聖域であり、この姿を一望できるこの景観こそ、まさに遙か先のカミを拝む所「遙拝所」であることを示す何よりの証拠となる歴史的文化遺産であったのです。

 また、この場所を通る「五戸道」「七戸道」は共に、南部の殿様からの厳命を受けてまで整備を行われた過去を持つメイン道路であり、この景観はかつて誰もが眺め、自然の、カミの威容を感じた場所であるのです。
 このようにこの場所は周辺の遺跡だけではなく景観も歴史的価値を持つ重要な場所なのです。

惣辺キャンプ場

 惣辺牧場にはなんと市営のキャンプ場までも存在しています。炊事場やキャンプファイヤー場が用意されており、管理棟には水洗トイレや休憩室・研修室までも完備しています。使用には事前連絡が必要ですが、使用料は無料となっています。現地の管理棟に行くまではこの情報はわからないのが唯一の難点ですが、施設もしっかりとしたものでしたので、最高の穴場となっています。

惣辺キャンプ場利用方法

利用期間 6月1日~9月30日
申し込み 使用日の7日前まで
受付場所 十和田市役所農林畜産課(0176-51-6745)
申請方法 受付場所にて申請書記入(印鑑必要)
使用料  無料

(上記画像、管理棟内の案内より抜粋)

アクセス方法

公共交通機関はなく、自家用車でのみアクセス可能です。複数のルートがございますが「西大沼平惣辺線」が唯一しっかりと舗装された道路ですのでそちらの利用をお勧めします。アクセス方法はこちらのWEBサイトで詳しく説明されております。

>>惣辺展望所(十和田湖の案内人 遊部屋十和田)

おまけ(外部サイト)

 以下のWEBサイト及び動画は、惣辺を知る参考になるものを紹介するもので、当会関係者から提供を受けたものではございません。
 当会とは関係のない個人の方のサイトや動画もございますので、リンク先へ署名運動やそれに関する件について、問合せをされないようにお願いいたします

「【絶景】惣辺キャンプ場!」(youtube)
 昨年秋の惣辺牧場のドローン空撮映像です。十和田湖の湖面も望めます。

「林道探索の書」平野沢林道
 2013年にバイクで林道に入られた方の記録です。なお、平ノ沢林道は惣辺牧場へのルートの一つで、風力発電所設置事業のエリアとなります。

“歴史的絶景「惣辺牧場展望所(十和田市)」の夕景を見に行く”(youtube)
 惣辺牧場展望台までの道中と夕焼けの映像です。

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(WEB署名ページ)